高知学100 最長の過疎 伊尾木川を源流まで-前編 明夜へ

1.伊尾木川

 伊尾木川の河口は高知市と室戸岬の中間にある安芸市です.伊尾木川沿いの最奥の集落まで50kmありますが、流域はすべて安芸市になっています.最奥まで達して標高1,050mの駒瀬峠を越えると徳島県に入ります. 

             (花の集落)

 市街を出ると次第に平地が狭まり山に入ります.昔は川に沿って奥地まで森林鉄道が敷かれていて、今も橋梁の跡を見ることができます.

2.豪雨の被害

 高知は鹿児島、宮崎と共に年間降雨量が3,000mmになる日本の多雨地域です.中でも伊尾木川に隣接する魚梁瀬は、年間4,000mm、三日間で1,300mmの記録があるのです.太平洋の湿った大気が直接山に吹き込んで豪雨となります.一方、魚梁瀬の安田川、奈半利川は山間で屈曲して雲を遮りますが、伊尾木川は山の中をほとんど直線的に流れているので、湿度の高い空気が山奥の源流まで一気に達します.

          (河道の掘削)

 2018年7月の西日本豪雨では、急傾斜の山肌は崩れ、河岸や路肩は崩壊し、流出した土砂が川を埋め尽くしました.重機が動き、復旧作業が続きます.掘削してつくった流れの両側はすべて流されてきた土砂なのです.

3.大井

                (大井)

 安芸市内から17kmのところが大井です.ここ迄は安芸市のコミュニティバスが日に3回運行され、率直に言えば安芸市の居住領域はここ迄なのです.欄干には大きな凹みがあります.車がぶつかったにしては大き過ぎます.しかし上流は右だし、集落が浸かった様子はありませんから、何かの拍子に大きな石が跳ね上がったのかもしれません.

             (伊尾木川ダム湖)

 伊尾木川ダムに出ます.左奥が堰堤で、本来はここが満々と水を湛えるダム湖なのですが、以前から土砂が堆積しダムの用が果たせなくなっていました.今回さらに堆積が増え、水はほとんどありません.どうするのか、土砂の上で測量を行っています.

5.古井

 ここから先、地図を見ると、古井、明夜(あきよう)、伊田渕、島、影野、スドウ、川成(こうなろ)、トベリキなどの集落があり、最後が別役土居になります.

            (古井の集落)

 沿道では次第に廃屋が目立ちます.

           (旧古井小中学校)

 対岸に廃校になった古井小中学校が見えます.鉄筋の校舎、可愛らしい体育館と共に教員の宿舎が並んでいます.山奥から来る生徒の寄宿舎もあったようです.もっと昔には離れた山の上に分校もあったし、この沿道に郵便局もありましたが今は消滅しています.

             (明夜の集落)

 しかし廃屋ばかりではなく、今も住まわれている家もあります.

           (路肩の工事)

 至る所で工事が行われていて、時間制限があって進行は捗りません.住民は少ないかもしれませんが、林業にとって必要な産業道路です.

つづく)

(2020年10月25日 初版)    (2022年4月1日 改訂版)

高知学100 最長の過疎 伊尾木川を源流まで-前編 明夜へ」への2件のフィードバック

  1. 待ってました!色んな高知情報楽しみにしています。 気を付けて取材してください。

  2. ブログ再開待ってました!
    伊尾木洞には一度行ってみようと思っていました。「秘境」なんて言われているけれど地図で見ると駅の近くで、こちらの集落の方が本当の秘境ですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です